飽きちゃった?夏

SE→IT人材にとらんすふぉーむ済の粗大ゴミ(28)が何かほざいてるだけ。

ジンギスカン

前の職場の近くにあったジンギスカンの店はおいしかった。食べ辛い難点を引き算してもあの店のリブ肉は上等だったんだい。月に一度くらいのペースで通っていた、大体かつての同期で一番めんどくさくなかったKを連れて。Kとは未だに連絡を取る。彼女の容貌は素材そのもので、まるで化粧気がない。いつ見てもその印象が変わらない。美しい面をしている、断言してもいい。髪を整えて、服を着替えて、化粧をしたら恐らく誰もがKを美人と評するだろう。でも私が心の隅で化けたKが現れることを願っても、してくれる日はきっとこない。お節介なかつての上司がもう少し化粧気を出せよとKに茶々を入れたときの返し、「めんどくさい」に全てが収束されていた。Kにとって何がしかのメリットがない限り、彼女はシャドウを恐らく塗らない。現状イレギュラーになりうるKの変身が起きるとしたら、それは何か、というのがあたしの最大の興味と関心で、ひょっとすると一生訪れないかもしれない兆しを気の長いキリンのポーズで待っている。悪趣味かもしれない。

 

週末羊を食べた、後ろにいた大分めんどくさそうなカップルを肴にしながら肉を焼いてゆく。女が「ニンニクはぁ、いらなぁい」と言っていたのを聴いて情緒のなさを心の中で呪った。多分あっこの店を出たらセックス突入100パーだのに、片方しかニンニク食べてなかったらロマンも瓦礫崩れ起こしてむしろ死ぬよ。ロマンチック・バイバイトゥナイトしたいのかな、やめろよニンニクを溶解させるんだ今すぐにとガヤついた店内の中で一方的なテレパシーを送る。無論届かないので途中で飽きて、自分達の食事に専念した。