飽きちゃった?夏

SE→IT人材にとらんすふぉーむ済の粗大ゴミ(28)が何かほざいてるだけ。

カエルのように寝転んで

とんでもなく厭な別れ方をした人間が死んだという報せを聞いた。他人の死を報らされて喜ぶのはこれきりだと思いたい。多用されすぎて使う気の失せる言葉「トラウマ」を百遍用いても許す気になれない。別れてから一年ほどはリュックに厚手の雑誌を入れてキャンパスに行っていた覚えがある。冷静に考えたら長めの刃物だったら貫通するし、正面から来られたら無意味だったな。ヌーピーのライナスじゃないけど、安心材料の一つとしては有効だった気はするけど。

 

間に三人くらい人を挟むと大体のことは把握できる。他人の与太話を好物にしているお節介なババアが嬉々とした面で教えてくれたのだった。

「ちょっとの間とはいえ、付き合っていたんでしょお?」

だから? そうだとして何を言って欲しいんでしょう。人が欲しい言葉を当てることを苦痛に感じることは滅多にないのに、ババアのリクエストに応える気が一切湧いてこないのがちゃんちゃら可笑しかった。私と別れてから何人もの女と付き合い、似たような別れを繰り返し、自殺ではない死に方をしたという。死にたい死にたいと散々喚いておいて、取るに足らない死に方をしましたね。ぺちゃんこに敷かれた道路の上にはきっと、あの男の身体を循環した血液がラインを残しているのだろうか。場所まで尋く気にはなれなかった。偽善的なババアは、墓の在所を書いたメモを寄越して、線香の一本でもあげたら?なんて能天気なことをほざく。早朝のスズメよりも喧しく、下卑ただけの品性に吐き気がする。今すぐ見えないところに行ってください、今すぐ退場してください、なんなら死んでください。のどちんこを舌で探りながら、発言と頭の中のものが瞬間的に入れ替われたらどれほど楽なのか想像する。